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雲取山でぎっくり腰 [山行]

12月22日、23日で雲取山へ行った。
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 歩行距離:23.5km 所要時間:13時間40分(歩行:11時間20分 休憩:2時間20分)
 走行距離:280km

 12月の三連休、妻は仙台へ旅行に行った。
 この機会に私は一人山に行くことにする。薬師岳の帰り、私と同年輩の人がテントを背負って登っているのを見て、「あの人ができるなら俺もテント泊するぞ。」と決意した。薬師岳で混雑した山小屋に泊まったせいかもしれない。
 今回はテント泊が第一目的である。妻と一緒だとそれなりに気を使うが、一人なら気が楽だ。テント泊の不便さも自分一人が我慢すればそれで済む。食事も適当でいいし、嫌になって引き返すのも自由だ。
 山はどこにするか。車で行けて、遠くなく、あまり険しくなく、きつくない所を探して雲取山にした。山小屋も通年で営業しており何かあったら避難すれば良い。

 テント、ガソリンストーブ、シュラフなどを引っ張り出すが、5年前に甲斐駒ヶ岳、千丈岳に行ったとき以来使用していない。日帰りや小屋泊まりではガスコンロを使っていたが、以前冬の戦場ヶ原で寒くてガスが気化しないことがあったのでガソリンストーブにした。
 テントの張り方、ガソリンストーブの使い方はうろ覚えだったので、部屋の中でテントを張り、ガソリンストーブが点火できるかどうか試してみる。


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 テントは簡単に張れたが、ガソリンストーブは説明書を見ながらやってようやく点けることができた。燃料のホワイトガソリンは、子供が小さい頃キャンプで使用した残りが3缶あり物置にあるのを発見した。15年前のものだったが大丈夫だった。バーナーの根本を暖めてガソリンを気化させるため、バーナーの根本にある小皿にガソリンを入れ火を点けプレヒーティングするが、このとき火がテントに燃え移る心配があるので折りたたみスコップを火の上にかざして延焼防止することにした。ガソリンストーブの火だるま事件は結構あるらしいので用心にこしたことはない。



 5時家を出発。東関道、首都高を経て中央道に入り八王子ICで高速道路を出て一般道へ。青梅街道に入ると眠くてどうしようもなくなった。道路のセンターライン側に寄ることが数度あり危険を感じた。途中で車を止め15分ほど仮眠した。再び運転した時は気分すっきりというほどではないが眠気は80%解消された。

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 鴨沢の駐車場に着いたのが8時、持ってきたバナナを2本食べ身支度を整え8時30分出発。家でテント一泊分の装備の重さを量ったら18kgあった。いつもは5、6kgの重さなので約3倍の重量だ。右膝を前に出しザックを乗せ、ショルダーベルトに右肩を入れ、ザックが横倒しにならないよう右手で保持しながら左肩を入れて背負う。ずっしりくるがまあ大丈夫だろう。

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 駐車場上のフェンス沿いにコンクリート敷きの歩道があり、これを進むと登山道に入りしばらく歩くと林道に出てそこに駐車場があった。小袖の駐車場で既に満車である。本当はここに止めたかったが、日曜祝日のこの時間帯では無理な話である。


 9時、登山口に着く。4時に摂った朝食から5時間経過している。小腹もすいたし本格的な山歩きの前に腹ごしらえ。賞味期限が今日となっていた50%引きのサンドウィッチを食べる。


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 登山道には雪が積もっていた。杉林の中の登山道。このような道が延々と続く。普段より荷物が重いのでゆっくり歩く。後続の人に次々と追いつかれ道を譲る。


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 七つ石の巻き道。だいぶペースは遅い。あわよくば雲取山荘まで行きたかったが無理だろう。今日の目的地は当初予定どおり奥多摩小屋までにする。


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 富士山が見えた。今回は富士山の写真を多く撮りそうだ。


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 14時ようやくブナ坂に着いた。


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 ブナ坂から奥多摩小屋方面。奥多摩小屋までもうすぐだ。

 ここまで登山靴のまま登って来た。雪はあったが登山道の傾斜が緩いので特に苦労はしなかった。平ヶ岳に行く時濡れた木道の滑り止めとして買ったリバーシブル グリッパーに凍結雪道用のスパイクがついているので、ものは試しに使って見ることにした。


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 15時奥多摩小屋近の幕営地に着いた。奥多摩小屋でテント設営の申し込みを行い、テント設営のための雪均し。雪がふわふわでなかなか締まらない。登山靴で踏んでも踏んでも飛び散ってしまう。


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 設営完了。ペグが効かないので苦労した。


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 日没まで1時間。今日は冬至で昼間が一番短い。昨日より1分日の出が遅く、明日は日の出の時刻は同じだが日の入りが1分遅い。


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 テント泊の人は結構多い。
 水場に水を汲みに行った帰りに陽が暮れた。急速に気温が低下しかなり寒いと感じる。


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 テントの中に入りとりあえず固形燃料で湯を沸かしウイスキーお湯割りを作る。まだ4時30分。気温はこのテントの中で-10℃、今夜は、長く寒いつらい夜になりそうだ。ガソリンストーブを点ける。プレヒーティングの炎が燃え上がるのでスコップでカバーする。点火するとボォーという音がしてすぐ暖かくなる。すごい火力だ。お湯を沸かし夕食のインスタントラーメンを作る。


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 テントの中で三脚を使い記念写真。



 ガソリンストーブを消すと急速冷凍ではないが瞬時に寒くなる。三人用のテントに一人なのでなおさらだ。
19時なったのでトイレに行こうと思いテントから這い出ようとしたら両足の太ももがつってしまった。「イテテテテ」


 奥多摩小屋のトイレから帰り、寝袋にもぐり込む。寒い、とにかく寒い。羽毛シュラフが41年前に買ったものなので羽毛の復元性が低下している。広げるとペッタンコである。寒くて寝られない、何回も寝返りをうつ。時間の経過が遅く感じる。1時間くらいたったのかと思い時計を見ると10分しかたっていない。時刻は20時40分これで明日の朝まではつらい。そのうち寝返りをするのが15分から20分間隔程度なのに気づいた。まず右向き、次に仰向け、最後に左向きで約1時間である。意識してこのサイクルを繰り返せば、自分の感ずる時間経過と実際の時間経過が一致するので時計を見てがっかりすることはないはずだ。
 
 22時頃、なお寒くなったので防寒ブルゾンを着る。これで持ってきたものは全て身につけた。
 
 夜中、たぶん23時頃だろう、寝返りとしようとしたら突然腰が痛くなった。ズキンとくる痛さで、以前車から荷物を降ろそうとして患ったぎっくり腰と同じ症状だ。「ウーウー」唸りながら寝返りをして、くしゃみをしたら腰にズキッときた。間違いなくぎっくり腰である。こんなところでぎっくり腰になるとは思わなかった。明日、行動できるか心配になった。

 時刻は1時、なお寒さが増した。気温が-15℃、眠った覚えはないがウトウトくらいはしたらしい。固形燃料のメタでお湯を沸かしウイスキーを入れて飲む。


 3時になった。じっとしているがつらいので、早いが朝食の支度を始める。テントの床が雪で凸凹しているので変な姿勢となり腰が痛い。痛くない体勢を探して座り直す。朝食はレトルトの雑炊、帰りの荷物を少しでも減らすため2袋食べた。昨日の行動食の余りのチーズ、煎餅も平らげた。

 テントの中を整理して5時20分雲取山に向かう。荷物は三脚とカメラののみ。まだ暗い。寒い。腰が痛い。ヘッドランプ点け歩幅を小さくして雪の中を進む。空身に近いのにペースが上がらず後続の人に次々と抜かれ、あっという間に離されてしまう。荷物を背負っての帰りが心配になる。最悪の場合は小屋にサックをあずけ空身で下ろうかとも考えた。腰の事も考えひどくならない内に引き返そうかどうしようかと迷いながら進んでいると次第に明るくなり雲取山の避難小屋とそこで御来光を待っている人が見えた。
 こうなると登るしかない。
 最後の急登を登り切ると5時35分、日の出前15分間に合った。


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 御来光。雲が二段になっていて、下段の雲と上段の雲の間から見える。



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 御来光のアップ。


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 上段の雲に隠れる様子のアップ。


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 再び上段の雲から出た様子。


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 富士山をバックに写真を撮ってもらう。腰の痛さはもう忘れている。引き返さないで良かった。
 雲取山の頂上はここから少し行ったとこらだが今日のところはここで引き返すことにする。

 展望を満喫し7時5分に下り始める。転けると腰に響くので慎重に下る。使う筋肉が違うのか登りより腰にこない。これなら荷物を背負って帰れそうだ。
 登りは1時間15分かかったが下りは55分だった。テントを撤収して、8時40分奥多摩小屋出発した。腰はズキッとはこないが疼痛がある。無理をせず、転けないようゆっくり下る。30分に1回休憩するようにした。


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 七ツ石の巻き道。少し長く歩きすぎたので腰がつらい。昨日は快晴だったが今日は曇りだ。


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 やっと着いた。ほっとした。よかった。後は安全運転で帰るのみ。
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いっとく

新年あけましておめでとうございます。
ギックリ腰と睡眠もままならないテント泊、更に重装備での雪山登山。
かなり過酷な山行だったと感じられます。
雲海と一緒に見られたご来光が、とても感動的だったことは写真から容易に推測できます。
自分には、この様な山行は無理ですが、今年も自分なりに感動を得られるハイキングが楽しめればと思っています。
お互い安全に留意して、山登りを楽しみましょう。

追伸:ご存知かも知れませんが、ももが攣るこむら返りの予防策としてアミノ酸の摂取や芍薬甘草湯というものが効果的なんだそうです。
私も一度ももがつりそうになった経験から、ネットで調べてアミノ酸と芍薬甘草湯を購入しました。
まだ、未使用で効果の程は解りませんが、ご参考までに。


by いっとく (2014-01-02 07:20) 

mogurin

いっとくさん
コメメントありがとうございます。
次は山小屋泊まりで雲取山頂上を目指します。
アミノ酸、芍薬甘草湯、試して見ます
by mogurin (2014-01-03 18:51) 

ゆうくん

明けましておめでとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
by ゆうくん (2014-01-07 00:02) 

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